ありけん日記


有田健太郎の日記、エッセイ、フォトギャラリーです
by KeN-ArItA

北の果てオホーツク、アザラシVSキタキツネの旅【5】

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【朝食は浜辺で】



 藤浦君に見送られ、7:14に鷲別駅でありけんを乗せた列車はぐんぐん南下を始めた。
 今日は、なんと盛岡までの13時間半の旅。
乗り換えも7回と多く、一つでもこけると盛岡へは辿りつけないという危険な一日なのである。
時刻表も折り目だらけ。

 最初の乗換駅、長万部(おしゃまんべ)駅で1時間半の待ち時間となった。
海が近かったので、浜辺で朝食にした。
朝日はやわらかく、潮風が心地いい。



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 網走の浜辺とは打って変わって、砂浜には貝殻がたくさんあった。
豊かな海なんだね。
 ありけんは、浜に出ると波打ち際を掘ってしまう癖がある。
目的は一つ、貝が出てくれば嬉しいからだ。
ここはきっとざくざく出てくるぞ。
しかし、何も出てこなかった。


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【北海道のローカル線の多くはこの『キハ40』。くぅー、いいよね。窓も全開さ。】


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【一つ一つ個性的な駅が多い】


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【さあ、次の町はどんな町かな。風を受けて行こう】



 小樽駅で50分の待ち時間。
ホームの離れたベンチで曲を作る(いい加減焦ってきた)。
 「それでもまた立ち上がって行こう」みたいな、前向きなテーマは始めから決めていた。
曲はね、多分短いけどほぼできたよ。

 自分は曲と歌詞を同時に作ることが多く、今回もサビの一部だけは同時に出てきた。
だけど、歌詞はせっかくだから車中で別に作ろうと思っていた。
よし、あとはまとめてゆこう!


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【13:50小樽駅ホーム。この横でギターを弾いている。天候もよく、風が気持ちいいと。】



 北海道南端の『木内戸駅』は、北海道を旅したフリーキッパーが集まってくる。
なぜならば北海道から本州へ渡る線路はこれ1本しかないからだ。
 ここから青森の蟹田までは各駅停車が運行していないため、『青春18切符』でも特別に特急自由席に乗車することができる。


 スーパー白鳥30号に乗り込むところで、年配の男性と知り合った。
ホームで弾いていたギターに好感を持ったらしく、話しかけてくれたのだ(どこでも弾いている)。

 一人旅といってもこういうことはよくあることで、長く一緒なのはお互い望まないのだけど、『旅は道づれ』しばしの間であればいろんな話が聞けて楽しいものである。
秋田に抜けるというこのおっちゃんとは、青森まで一緒に旅することになった。

 大阪から10日程の旅を予定しているこのおっちゃんは、定年までずっとしっかり働いて、その後また少し働いてから引退したのだそうだ。
今は、好きな列車で全国のお祭りを見て回ったりと、自由に旅をすることが多いという。
とても67歳には見えず、活力に溢れていていた。
 若い頃の話や、家族の話、お祭りの話、旅の話、、。
なぜか『スーパーホテル』(全国展開のビジネスホテル)を熱く推薦するのが面白かった。


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【写真10(しゃしんてん)NO,7 旅は道連れ】
青森県蟹田駅にて。特例区間を終えて、各駅停車に乗り換える。



 定年まで一生懸命働いて今は旅をしているというこのおっちゃん、尊敬します。
いろんな話をありがとう。どうぞお元気で!


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【東北新幹線『はやて』。歌詞を書く、うーん、書く。書く。】



 今日の目的地は盛岡(岩手)。
そう、指令である『かんちゃん』と落ち合うためである。
 かんちゃんとは、学生時代に仲良くなったストリートミュージシャン。
もう、15年くらい前になるかもしれない。

 後輩に「駅前に上手いやつがいる」と盛岡駅地下道へ連れられていった。
地下道に舞い込む粉雪も溶けないという極寒の中、熱く歌っていたのが『かんちゃん』だった。
そのシーンは、今でも強く記憶に残っている。
 感動したありけんは差し入れをしようとコンビニに走り、ホットコーヒがいいかワンカップ大関(寒かったから)がいいか真剣に迷ってコーヒーを買ったことまで覚えている。
 あの時もし、ワンカップ大関にしていたら今でも続く仲にはなっていなかったかもしれない。

 しかし、付き合いの長い友人とはいえ知らないことは多かったりする。

 実はかんちゃん、先日入籍していた。
おーー。おめでとう!

 あと、以前からずっと気になっていたのだけど実は本当の名前を知らない(最低)。
もちろん姓名の漢字はしっているのだけど、…読めないんだ。
 15年も経った今さら、聞くに聞けなくて。
今回、チャンスを見つけてさりげなく聞いてみようと思っている。


 八戸から盛岡までは、JRではなく第三セクターなので18切符は使えない。
遅くなり過ぎないうちにかんちゃんに会いたいため、どうせならと新幹線を使うことにした。
6年ぶりに会うかんちゃん、嬉しいな。
まさか太ってないだろうな。


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【学生の頃、よく行った食堂『美香食(みかぐ)』。ありけんはいつだってこの温麺を注文した】



 盛岡駅20:25。駅ロータリーでかんちゃんと再会を果たす。
おー、おーおー、おーおー。
ここでもやっぱりくすぐったい感じ。
しかも、やったー!かんちゃん太ってる(落ち着いた証、幸せの証!)。

 かんちゃんは昔よく行っていた定食屋(ここの温麺は最高にうまい!)に連れて行ってくれ、その後6年間過ごした盛岡をドライブしてくれた。

 なつかしいなぁ。

 盛岡には他にも会いたい仲間がたくさんいたのだけれど、平日の夜遅くとあって今回の犠牲はかんちゃんだけということになったのだ。次はゆっくり来よう。


 次の行く先にかんちゃんが提案してくれたのは、母校の『軽音楽部部室』だった。
思いもしなかった行く先に、感動してしまった(ナイスツアーコンダクター)。

 大丈夫かな?怒られないかな?…。
21時過ぎの校舎にはだれもいなかった。
僕はどきどきしていた(小心者)。
大丈夫だよ(かんちゃんは、けろっとしている)。


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【母校の軽音楽部部室】



 はぁ、自分の音楽活動はここからスタートしたのだ。

 何も変わってない。
唯一変わったことは禁煙になったことくらいだろう。

 バンド演奏のうるさい僕らは校舎内に部室をあてがってもらえず、敷地のはずれのプレハブに押しやられてしまったのだ。
あれから15代続く後輩達もずっと押しやられたままだったんだな。
というかバンドブームを離れても今まで、よく廃部にならず頑張って続けてきたね。

 「なんでこんなに予算が出ないんだ!」そう思った後輩達もいただろう。

 それはね、過去の先輩が学園祭の夜に、焚き火をするのに木が湿ってるからってガソリンをかけて火を放ったりしたからなんだよ。ごめんね。

 現在の後輩に会ってみたいと思った。

 先輩も頑張るよ。
後輩達も自分たちの音楽を思いっきり楽しんでくれ。


 帰り際に警備員さんとはち会わせてしまった。
 「あんた達で最後だね?もうだれもいないね?」
僕らは無事下校できたのである。

 「おれ達、学生に見えたんじゃない?!」と喜ぶかんちゃん。
かんちゃん、、すごく暗かったからだよ。


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【たまにはよいね。コインランドリー】
旅に洗濯はつきもの。
かんちゃん宅の洗濯機じゃ朝までに乾かないので、乾燥機がある深夜のコインランドリーへ。
洗濯物は少ないのに、なぜか疑わず一番立派なやつ(手前の大きなやつ)で洗濯を始めてしまったありけん(800円)。なんでこんなに高いんだ…?

「こっちに小さいのあるよ」とかんちゃん。



「まあ乾燥機付きだし、スーパートリートメント仕様ってかいてあるから着心地は最高だよ。匂いとかもいいんじゃない」と慰めるかんちゃん。




 その後「なん曲か聞きたいんだけど?」というかんちゃんのリクエストのために運動公園へ向かった(この人、こういうところが変わってる)。
 真夜中の野外ライブは涼しくて気持ちよかった(聴衆一人)。
聞いてくれてありがとう。

 かんちゃん宅ではぐっすり眠れた。
泊めてくれてありがとうね。


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【赤い車がお似合いさ。かんちゃんありがとう!】



 朝食までいただいて駅まで送ってもらったありけんは、東北本線に乗り込んだ。
溢れる感謝を干し草のように、めいっぱい両手で持っているような感覚でいた。

 かんちゃんはかんちゃんだ(結局、名前の読み方を聞けなかった)。

 停車中の列車は9:20発、一関行き。
早めに乗り込んだありけんは、出発を待つ。
 こんな時間も好き。



 その6(最終章)へ続く
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by KeN-ArItA | 2010-09-06 14:03
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