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ありけん日記


有田健太郎の日記、エッセイ、フォトギャラリーです
by KeN-ArItA

2014年9月『イリオモテヤマネコを手なずけよの旅』【2】

 旅二日目15:00。
チェックインして、向かいの浜辺でオリオンビール。
海に入ったり、カニやヤドカリ達と戯れる至福タイムである。
この風景を見た者は、ああ、東京から来たいつものゆるゆる観光客だなと思ったに違いない。
しかし、このゆるゆる観光客男、夜中に向けてとんでもない計画を胸に秘めていた。



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【西表島、南風見田の浜近くにて】



 そもそもイリオモテヤマネコってなに?といった素人ちゃんのために説明しておこう。



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【看板抜粋】
ふむふむ、鳥類、ヘビ、トカゲ、コオロギなどを捕食とは、これまたワイルドだな。
おいおいネコ缶で大丈夫か?(素人ちゃん)




 ちょっとまて、こんなでっかい島に100頭程しかいないのか、、。
しかし、この真実を前にしてもなおありけんが強気でいれるのには訳があった。



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【ジャーン!!】
またしても裏目に出てしまう目撃情報図。



 すでに張り込む場所は決めてある。
日が落ちるまで西表の夕凪を満喫しようじゃないか。



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【15:00のオリオンビール】



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【集落散策中】
火山岩の石垣がとてもよい味を出している。
集落では年に1度のお祭りの後夜祭が始まっていて、ずっと民謡が流れている。
その土地の自然の姿、リゾートでないよさはこういったところかもしれない。



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【ヤドカリでかっ!!】
うりうりといじめてみる。


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【いでででっ!!】
流血の仕返し。




 19:00、1階の広々とした食堂に夕食が用意された。
宿泊客は4組いるようで、長いテーブルに斜め向かい合うように4つの膳が置かれていた。
やがて、右斜め前の席に30歳くらいの女性、左斜め前の席に年齢不詳の外国人が座った。

 この配置は、一人旅同士が情報交換したり、旅の話をしたり、新しい出会いになったりすればいいというこの宿の粋な計らいであった。
 もう1人はまだ降りてこないのでと女将が食事の説明を始めた。
 


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【地元料理】
味付けが薄くて好み。




 黙々とした食事時間が進んでいた。
ありけんはこうみえて人見知りである。
出会いやワイワイといった旅情が好きならばユースホステルを選んでいる。
一人宿を選ぶからには、向かいの二人も同じであろう。

 しかし、気まずい、、
これならばそれぞれが別のテーブルで好き勝手に食べていた方がまだましじゃないか。
誰かしゃべってくれ。

 この焼き魚、身と骨がはずれにくく、そのあまりの食べずらさに思わずありけんが漏らした。

「この魚、うまいけど食べにくいね」

 一瞬にして氷は砕かれ、堰を切ったように会話が始まった。
なんだー、みんな話し好きやんか。


 イギリスからやって来たというこの男性、学生時代を日本で過ごして以来日本が大好きで、西表島は4回目らしく、日本語も流暢である。
同じ歳くらいかな、とても好感が持てる紳士である。

 右斜めに座る女性も笑った。
今気づいたがこの女性、、かわいいではないか。
思い返すとこの女性、夕刻に浜辺に1人でいた女性だ。
ありけんは一気に楽しくなってきた。
東京から来たと言う彼女、西表島だけでなくここらの島はほとんど行ったことがあるという。

 浴衣姿や浜辺、ゲレンデで見る女性は2割増かわいく見えるというが、旅先などでちょっとしたきっかけで出会う女性は、なんと4割もかわいく見えてしまうのだ(ありけん調べ)。
つまり、自分にとって普通(50%)の女性なら、90%もかわいくなってしまうのである。
恐るべき旅マジック。
タクシーの深夜料金どころか、楽天スーパーセールもびっくりである。



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【すっごい増えてゆく、、】
まんぷく、美味しかった。




 3人の話がどんどん盛り上がってきた頃、ようやく4人目の宿泊客がやってきた。
休みは月に1.5日程、忙しすぎてもうやってられるかっ!と無理矢理休みをとって東京からやってきたという、少々大げさな男性(推定28歳)も会話に加わった。

 みなさんどこから来られたんですか?

 (えー、また初めからかよ、、)

 その焼き魚、食べにくくないですか?

 話はさらに盛り上がった。
とても楽しい時間となった。

 みんなが飲んでいるオリオンのジョッキがうらやましかった。
時計を気にするありけん。
そう、なぜならばありけんは今から車を運転してヤマネコスポットに向かわねばならないのだ。

 なんかもう、こっちの方が絶対楽しいなぁ、、
何を言っているありけん、なんのためにここまで来たというのだ!

 あ、あの、自分、ちょっと今から行かなきゃいかないとこあるんでここで失礼します。

 この切り出しはまずかった。
西表島が大好きメンバーなのである。
夜の西表スポットがあるなんて、知りたいに決まっている。
みなの目がいっせいに輝いた。

 えっ、今からどこに行かれるんですか?

 言えない、、ヤマネコを手なずけにいくなんて、絶対言えない。
(この島ではヤマネコは神聖、守られる幻の獣として存在している)

 あの、自分、どーしても行かなきゃいならないんで。すみません!
どうぞよい夜を、と半ば強引に席を外した。



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【夜のエントランス】
虫の音が心地よい。




 20:30、準備を済ませたありけんは、ヤマネコ号のアクセルをゆっくり踏んだ。
しかし、駐車場を出たところでエントランス前に1人で立っている彼女を目にした。
車を止め、どこか行かれるのですか?と聞くありけんに彼女は応えた。

 ちょっと庭に星を見に行こうかなと思って。

 ちょ、これって、、
オリオンの三ツ星探しながら一緒にオリオンビールでも飲みませんか?(0点)
とか言ってもいいパターンではないのか!?

 ほのかな明かりの中に立つ彼女は、もはや100点近くまで上り詰めていた。
さあどうするありけん!

 南国アバンチュールかヤマネコか?

 南国アバンチュールかヤマネコか?

 南国アバンチュールかヤマネコか?



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【おらあーー!!】




 ありけんをナメるな!!

 そして流れてきたのは、沖縄ソングBIGINでもなければ、夜ドライブソングのU2でもなく、まさかの『銀河鉄道999のテーマ(ゴダイゴ)』。

 キターーー!!

 テレンテレンテレンテレンテッテン、、、
さあゆくーんだぁー その顔をあーげてー
新しいかぜーに 心をあらおーう、、

 メーテルーーー!!

 男にはやらなければならない時がある。
もう誰も今のありけんを止めることができない。



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【21:15 イリオモテヤマネコを誘い出すセット完了】
線香みたいなやつはマタタビのお香。




 あのさあ、、まず聞いていい?
なんでネコ缶じゃなくて赤貝なの?

 そりゃあ、西表島のお店でネコ缶売ってなかったからね。
(西表島は『ネコ』にとても敏感、ネコ缶なんて絶対に置いてない) 

 石垣島のとき買っておけばよかったじゃないか。

 なに言ってんだ、お前だって石垣島のコンビニで、砂肝ジャーキーこれ超新しい〜!!って興奮して買いまくってネコ缶のこと忘れてたじゃないか。

 まあ、それはもういい。肝心なとこいこう。
ライト消したら真っ暗で何も見えんやん。

 たまにつければいいだろ!

 それじゃ、ヤマネコ逃げるだろ!

(案の定、自分と自分がケンカしはじめた)

 だいたいもっと大人の南国旅ってのがあるだろう。

 どこにもない南国の旅がしたいって言ったのお前じゃないか!
じゃあリゾート行くか?

 マジョリティよりマイノリティか、、だからお前の曲は売れないんだね。

 てめー、旅先で骨格となるような音楽方針の話すんじゃねー!



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【マタタビのお香】
マタタビよりも匂いが強そうなので準備してきた。
しかし、実際匂いもよくわからない。



 
 エンジンを止めて外に出てみた。
なんだこのとんでもない星空は。
真ん中にうっすらと雲さえかかってなかったら完璧最高なのにな。
(その薄曇りこそ天の川であったと後に知る)

 前後数キロも街灯なんてない、本当の真っ暗。
大自然とは、とてつもない気を発している。
そのあまりの出力大に気圧されるようで、なんだか怖くなってきた。

 帰るか、、

 うん、帰ろう。



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【こんな感じ。ジャングルの中の一本道】
もちろん、灰一つ残さずきれいに撤収したよ。




 帰り道は長かった。

 イリオモテヤマネコをおびき出すという作戦は失敗に終わった。
あーあ、ありけん今年もダメなのかよ、、なんて思っている人もいるだろう。
ありけんをナメるなっ!!

 出て来てくれないなら、こちらから会いに行けばいいだけだろう。

 次号は、ついに発見!?
ヤマネコジャングル探検隊、出動!!
お楽しみに☆



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【宿がある粗納地区のハイビスカス】

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by KeN-ArItA | 2014-10-23 11:24
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