ありけん日記


有田健太郎の日記、エッセイ、フォトギャラリーです
by KeN-ArItA

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2008年9月 『日本海の旅』 写真展


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【上越、日本海を行く】
新潟から酒田まで、こういった風景が続く。


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【あたしゃ、前の方に行くよ】


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【流木ベンチ、靴ぬいで】
山形県吹浦駅徒歩10分。
脱いだのはいいが、足の裏が焼けるように熱い。


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【線の芸術】


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【私は指輪】


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【カモメの涙】
ほーっと休んでいると、カモメ(ウミネコかも)が1羽、側に降りてきた。
なんでまた、と思いながら写真を撮ろうとしたら、足に釣り糸が絡まっているのに気づいた。
とってやろうとそーっと近寄ったら、、飛んでいってしまった。
そりゃそうだよね。
ダメになった釣りセットは、ちゃんと持ち帰りましょう。


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【青空にキョウチクトウ】


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【夕焼け列車は行く】


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【がんばれカマキリ】
ふと窓にはカマキリが。
この雄のカマキリ、すごいスピードで走る列車に何駅もしがみついていた。
いつのまにかいなくなってたけど。
カマキリも大移動やね。


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【北国はもう秋の風】


2008年9月『日本海の旅』写真展 おわり
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by KeN-ArItA | 2008-09-15 10:28

2008年9/6(土)『日本海の旅』 2日目後半〜3日目

曇り始めていた空はすっかり晴れ、海岸線を斜めに照りつける太陽はキラキラと反射して、車内は西日に照らされて清潔に輝いていた。

15:57吹浦駅発、秋田に向かう列車はひたすら海岸線を走っていた。

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【うとうと列車】
あまりに気持ちがよくて、誰もがぽーっとなるのです。


吹浦駅近く、スーパーのお惣菜コーナーで買った大きな『タコつくね棒』2本と『唐揚げ』1パックを食べながら、車窓にへばりつきうっとりしていた。

砂時計のようにゆっくり、それでも刻々と夕陽は傾いてゆき、やがて高校生達が乗ってきて活気づいた列車は、さらに北へ向かった。

光やら季節やら気分やら時間やら、様々なタイミングが絡み合って、
本当に素敵、涙溢れんばかりの景色と時間だった。


秋田に着いたのは17:24。
懐かしい盛岡へ向かおうかと思ったのだけど、既に最終列車はなく。
明日までに東京に戻らなければならない僕は、大曲を抜けて山形県の新庄まで南下することにした。

列車は混んでいた。
大曲を過ぎた頃にようやく座れ、残りの2時間近くは本を読んで過ごした。

列車は少しずつ乗客を降ろしてゆき、そのうち駅に着いてもドアすら開かなくなった(北国の列車の多くは、乗り降りする人が自分でドアの横のボタンを押してドアを開ける)。

やがて、闇の中を跳ねるように進んでゆく車中は、旅人ばかりになった。


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【夜の各駅停車、終点まぎわ】
フリー切符発売期間は、全国どこに行っても旅人が多い。
始めのうちは一般客と見分けがつかないのだけど、始発から終点まで、
さらに次の列車も同じになると、お互い旅人だとわかってしまう。
それに旅人は、必ずと言っていいほど時刻表を身の回りに置いているし。
自分も含め、なんとなくうざいから(笑)わかるのだ。
旅人だらけになったガラガラ車内は、みんな好き勝手な体勢をとり始め、
独特の開放感と退屈感で満たされる。
やっぱり、うざいのである。



21時近くに新庄駅前の安ホテルに素泊まりを決めて、あまりお腹がすいてなかった僕は、コンビニに少しばかり夕食を買いに出かけた。

新庄駅前は、人影はないが、居酒屋、スナック、パブといった飲み屋は多く。
各戸の隙間からは、笑い声とともに活気ある雰囲気が漏れていた。

心地よい気温で、見上げれば奇麗な星空。
なんだかホテルに戻るのがもったいなく、市内を少し歩いてみることにした。

夏の大三角形、カシオペアに北極星、、
見上げながら歩く夜の路地脇からは、水と虫の音が涼しく。
しかし、久しぶりに見上げた星座や名前の多くは忘れていた。

福岡、盛岡と田舎で過ごした僕にとって星空なんて、見上げれば当たり前に映った世界だったのに、「久しぶりに見たな〜」と思うなんて。複雑な気持ちだった。



点在する酒場通りを抜けようとした時、偶然にも、小さな活気ある韓国風居酒屋の入り口に貼られてある知人のポスターを発見した。
それは、『タダセンパイ』というソロアーティストのものであった。

タダセンパイは、上京してすぐ、ライブハウス『ターニング』のブッカー(ブッキングをするスタッフ)としてすごくお世話になった人だ。

僕が、ある音楽事務所でプレゼン用のレコーディングをした時も、ついてきてくれたし(自分から)。
また、ターニングでワンマンライブをやった時にも、スタート直前に店長を連れて前説をやってくれた(自分から。ペンギンの着ぐるみを着て、しかも15分も)。

ある時は「ありけん、今ちょっと千円ある?」と困った風に言うので、千円差し出すと、「はい」と自分バンド(レッサーパンダ)のライブのチケットを渡されたり。(もはや押し売りである)

憎まれ口に聞こえるかもしれないけど、タダセンパイは、それらが許せてしまい、親しみの持てるキャラクターなのだ。

自分で『国宝』と言っているタダセンパイは、伝説や無茶も多いが、どこでも特異に許されている(いや、そうでないところもある)。
だから僕も『国宝』だと認定しているし、尊敬もしている。

さらにタイムリーなことに、5日後、池袋のライブハウス(入ってすぐ副店長まで上りつめてるし)で会うことになっていた。


そんな、ゴキブリ顔負けの脅威の生命力を持った『タダセンパイ』のポスターが、こんな所に貼ってあるのだ。

ライブハウスや、ライブバーなどならまだしも、、
鉄板焼き、焼き肉、キムチ、冷麺、プルコギ、タダセンパイ。
そんな感じで、小さな居酒屋にしれっと同化している。

いったん通り過ぎたものの気になった僕は、その韓国風酒屋に入ってみた。
お酒を断っている僕は、ウーロン茶と冷麺を頼んで、店主にポスターのことを聞いた。

タダセンパイは新庄市出身で、店主の息子の友達で、新庄祭りの時に貼って帰った。とのことだった。
しかし地元とはいえ、ただでは帰らないタダセンパイをすごいと思った。



人は生きていると様々なしがらみもできて、疎遠になったり、不仲になったりする人もでてくる。
だけど、時間が経ってたり、遠い場所などでばったり出会うと、思わず「おおー!」
声をかけあったりしてしまうものだ。

そのとっさの「おおー!」には、なんの計算も下心もなく、純粋にその人に対しての親しい気持ちで溢れていると思う。

その人との親しい時間や楽しい時間は確かに流れていたわけで、それを忘れずに別れてゆければいいよね。

ちなみに、タダセンパイとは疎遠でも不仲でもないよ(笑)


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【北国の新幹線】
秋田新幹線、山形新幹線は、在来線と同じ線路を運行する。
遮断機が下りてきて、目前を新幹線が爆音のように駆け抜けてゆくのだ。
完成当時は、じっちゃんばっちゃん達の開いた口が塞がらなかったという(笑)。



『日本海の旅』3日目、やっぱりしっかり眠った僕は、東京に向け奥羽本線で南下を始めた。


平地と丘と山と積乱雲、晴天の山形を行く、

初秋の朝は心地よく、果てしないやまぶき色の田園は盆地をより明るくし、

芦の濁ったゴールド、ススキのシルバーは、車風に波打ち、

部活へ向かうおしゃべり女子高生は2駅で降り、

次に座った、小さな子ども2人の母子もやがて降り、

となりの空席には誰が座るのかな


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【お隣よろしいですか?】



米沢で乗り換え、行商の大荷物のおばあさんの隣に。
しかし、すごい荷物だ。


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【早くも談話中】



米沢〜福島間は、電車の本数もわずかで、それも納得の山間部である。

おばあさんは、米沢に行商、買い出しに行った帰りらしい。
赤庭という、壮絶な山の駅で降りていった。
どうぞお元気に!


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【奥羽本線恐るべし…】



山間部は、こんなプレハブの防雪駅が続く。
停車時間がないにも関わらず、降りてカメラを撮る僕と少年。
「発車しますよー」車掌はめんどくさそうである。

隣の4人席に、テンションの高い母子がいた。
少年は、小学2、3年生といった年頃で、その若さにして早くも『電車おたく』だった。

仙台在住のこの母子は、朝早く仙台を発ち、この列車に乗ったらしい。
『福島発→小牛田行』の途中駅で、2両編成から数量編成に連結する瞬間が見たい。
そう言い張る子どもに連れられての日帰り旅中らしい。

すごい…、将来有望だ。

福島で降りたこの微笑ましい母子は、小牛田行きホームへと元気に階段を駆け上って行った。


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【夕立ホームにて】



東北本線(東海道線なども)は、1日に1筋か2筋、乗り換えの待ち時間が少なく、東京までスムーズに乗り継いでゆけるように組んである。

例えば、
仙台から白石、ここで2時間待ち。白石から福島、ここで40分待ち。福島から郡山、ここで1時間半待ち。
こういったことは普通なのだが、この待ち時間が各10分程度で岩手から東京まで行けたりするのだ。

フリー切符旅人は、この波を逃さない。
従って、この波にあたる列車は、南下するに従って混み始めるのだ。

そして、福島から郡山。郡山から黒磯。そういった乗り換えポイントでは、旅人はみんな走り出す。
それはそうだ、もし座れなかったら2、3時間立ちっぱなしになるからね。
だけどその絵が、東京での朝のラッシュのようで複雑な気持ちになる。

地元の人にとっては、びっくり迷惑である。


波を逃して、1本送らせた僕は駅ソバを食べ、乗り継ぎの悪い旅を続けた。


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【ほら、来たよ!】



17:24、黒磯で『フェアウェー快速』(金土日に限り1日1本運行というめずらしい電車)が動き始めた頃、窓にはもう僕や車内が映り始めていた。

外は時折激しい雨で、旅は終盤に向かって猛スピードで進んでゆく。

旅の終わりと祭りの後は、何となく似ている。


どこか少しでもタイミングが違えば、鳥取に行っていたかもしれないし、青森の先端に行ってたかもしれないし、どこにも行けなかったかもしれないし。

僕は、なるようにしてなった3日間のルートを、時刻表の索引地図で見返してみた。

日本海、よかったなぁ。
関わってくれたみんな、ありがとう。


やがて、贅沢な時間を噛み締めた『フェアウェー快速』は、池袋の長いホームに滑りこんでいった。


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【山形県吹浦にて】
やっぱり、いつものポーズで。



2008年9月『日本海の旅』おわり
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by KeN-ArItA | 2008-09-14 10:36

2008年9/5(金)『日本海の旅』 2日目前編

ホテルのカーテンを開けると、眩しい朝日に思わず手をかざした。
旅先なのにたくさん寝たので気分は良く、干していた洗濯物を取り込み、準備を終えた僕は新潟駅へ向かった。


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信越本線や羽越本線では日に数本、快速列車が運行されている。
走行距離も特急とさほど変わらず、速く。なのに特急と違い、普通運賃で乗れるのだ。
しかも車両は旧国鉄の特急車両を使っているので、疲れずに快適。
長距離を飛びたければこれを逃す手はない。

僕は、昨晩完璧に練ったプラン通り10:15発の『きらきらうえつ』(指定券の510円だけは別にかかる)の座席指定券を申し込んだ。

「あー、もう満席ですね〜」



窓口スタッフの次に発せられる『お助け案』を待ってみたのだが、彼の口からは何も続かなかった。

あっさりである。


仕方なく30分後に出る特急『いなほ3号』で、酒田(山形県)まで飛ぶことにした。

普通列車の旅で、特急列車を使うのは『フリー切符旅人』にとってパス1を意味する。
別途にお金がかかるし、プライド(あまり無い)にも関わるからだ。
僕はもうパス2だ。リーチである。


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【隣の席では】



でも、やっぱり、特急はいいよね!
快適やもん。

窓辺にはずっと海、海、海。
高くなった太陽に照らされ、澄んだ海が様々な青のステンドグラスのように流れてゆく。

となりの席では、女子大生らしい2人がなにやら熱く語っているもよう。
夏休みを終え、新学期に向かっているのかな。


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【酒田deピース】
一人でなんだか楽しくなってきている写真。


酒田駅で各駅停車に乗り換え、秋田方面に向かった。
ちょっと進んで『吹浦(ふくら)駅』で2時間の待ちとなった。

『2時間の待ち』は時刻表により分かっていたのだけれど、時刻表の地図が海岸線に近かったのと、『吹浦』と言う地名から、海に近いのではないかと予測していた。

終点の折り返し列車を降り、ホームで伸びをしていた運転手に聞いてみると、松林の裏はすぐ海だということが分かった。


2時間の待ちと言うと大変なものである。
折り返し列車はカーブの先へ消え。
駅舎には、駅員はもちろん僕以外だれもいなくなった。

暑さをより暑く演出する蝉の鳴き声に混じり、
風鈴よりも軟らかく軽い鈴虫の音が、真夏を少し後ろへ遠ざけてしまっているよう。

…晩夏だ。


東の鳥海山に覆いかぶさるように成長中の入道雲は、山をより壮大に見せ。
その雲端が少しずつこちらへ進出し始めた頃、僕はと言えば。

海でカニを捕まえていた。


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駅を出て集落の小道をうねうねと進み、

青空へ突き伸びる踏切棒を仰ぎ、

当分列車の来ない線路でお決まりの写真を撮り、

汽水川の橋上を魚影を探しながら渡り、

海の気配に連れられて、まだまだ、どんどん歩いてゆく。


海って、なかなか着かんよね。

でも、なんだか、一人ですごく楽しくなってきた。


うおー

うおーー!

海はどこだ!


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【こっちだ!】



きゃー、海〜!


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靴を脱ぐと足が焼けそうに暑い。

飛び込め!


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当然、水着(パンツ)de 泳ぐ!


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【強者どもが夢のあと】
スイカがたくさん芽吹いている(笑)
スイカ割りの後、みんな焦る気持ちを押さえて、ちゃんと種を出しながら食べたのでしょうね。
えらい。



砂浜を犬のように駆け回って、写真撮って、横になって、ボーっとなって、
本当によい時間だった。


吹浦駅への帰り道は『鈴虫小道』。
銭湯帰りのように、ほあっとなって、遅い午後は秋の優勢。


踏切を越えた電柱で、8羽くらいのツバメの群に出会った。

ペチャクチャペチャクチャ、、

きっとまだ始まったばかりの、南国への旅中なのだろう。
お互い気をつけて、また会おう!


2時間経って、申し訳なささなど微塵も見せずにやって来たガラガラ電車は、吹浦のホームから僕と2人の乗客を連れて、さらに北へと向かった。

16時を回った太陽は、少しずつ夕陽へ変わり始めていた。




〜2日目前編、終わり〜

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by KeN-ArItA | 2008-09-09 17:55

2008年9/4(木)『日本海の旅』 1日目

プラットホームの先端に立って、駅員のものまねをして指差し確認をする少年。
電車に乗ると、運転席のすぐ後ろのガラスにへばりついてしまう人。
ホームに滑り込んでくる列車を見ると、思わずカメラを構えてしまう人。

それらの光景に、僕は親しみを感じてしまう。

日々忙しいのはきっとみんな同じことで、その息抜きの仕方も人それぞれだと思う。

だけど旅と列車が好きな自分は、そんな時『列車の旅』に出かけるのだ。


動きだす列車の窓には、僕さ。


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9/4(木)昼過ぎ、中央本線から篠ノ井線に乗り換えた僕は、直江津(新潟県)に向かっていた。
夏空に積乱雲。真昼はまだまだ夏が優勢のようだ。

しかしこの進路は、実は不本意だった。


前々から鳥取に行きたかった僕は、夜行快速列車の存在に気づき、この機会に『鳥取砂丘、らくだはニンジンを食べるのか実証の旅』に行こうとひらめいたのだ(前日の9/3(水)12:30)。

仕事を終えた僕は、JR普通列車全線5日間乗り放題で11500円という『青春18切符』を買いに『みどりの窓口』へ向かった(9/3(水)20:00)。

「あー、すみません。18切符の発売は8/31までなんですよ」



「えっ、9/10までなんじゃないんですか」

「それは使用期間で、発売期間は8/31までなんですよ」

ぱくぱくぱくぱく…(ショックで口が金魚みたいになっている)

そう、たしかそうだった。
なんということだ、自分としたことがそんな基本的なことを見落としていたのだ。
これじゃ鳥取どころか、どこへも行けないじゃないか。

ぱくぱくぱくぱく…

ショックを隠せない僕を見て、若いその男は、ドラえもんのようにすごい切符を出してくれた。

それは『東日本フリー切符』というものだった。
JR東日本と北海道の普通列車全線、連続する5日間乗り放題(10000円)というすごい切符だ。

だけど鳥取は区画外なので南への進路は断たれた。

とっさに僕は、ちょうど3時間後に池袋から出る夜行快速列車『ムーンライトしなの』で、新潟に行く計画を思いついて、膨らませた。
朝早く新潟に着いて、それから北上すれば1日で青森の下北半島まで行けると考えたのだ。

しかし、全席指定の『ムーンライトしなの』は満席で、その計画もあっさり断たれた。

もー、行く前からひどい有様である。

なーに、どこに行っても最高の旅にしてやるさ!
相変わらずダメな男である。


こうして、9/4(木)7:30、『日本海の旅』がスタートしたのだった。


9/4(木)8:25立川
通勤ラッシュに耐えきれず、早速『あずさ5号』(フリー切符は使えない)に乗ってしまった僕は、あまり気分が良くなかった。

少々風邪気味で、疲れも溜まっていたのだろう。
だけど、当分作れないこの機会を逃すことはできなかった。

甲府で各停に乗り換え、4人席に足を伸ばして、窓辺に時刻表と切符とコアラのマーチを置くと、ようやく旅らしくなってきた。


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【諏訪にて車窓から1枚】



天気は3日間よくないとの予報だったが、

晴れ空の下、山間部は積乱雲をさらに押上げ、

緑のいがぐりを沢山抱え込んだ栗の木、

まだ重たいすすきの穂は銀色に揺れて、まけじと芦も銅色に光り、

列車が揺らす沿線のコスモスが、それらに鮮やかさを加えて、

甲斐の国を行く列車は、心地よい風のよう。


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【やっぱりソバでしょ】
各駅停止の旅は、乗り換えが命である。
2時間待たされる時もあれば、数分間の乗り換えを失敗して2時間待たされるはめになったりする。
だから食事も待ち時間次第。
ちょっとした食べ物やお菓子は、常に買っておきましょう。
おいしそうにソバを食べる若者を横目に、容赦なくありけん列車は出発するのです。
う〜、自分も食べたいぞ



篠ノ井線の旅を終え、13:39、長野から信越本線で直江津へ。
曇天の山間部を進み、ようやく直江津へ。そのまま、北(新潟方面)へ向かった。

『青海川』という日本海に一番近い、有名な駅がある。
そこは1994年の『ラストソング』という映画のワンシーンに使われた駅だ。
自分が直江津に向かったのはそこへ寄ろうと思ったからだった。


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【青海川ホームにて】
反対のホームに渡り、カメラをセットして、タイマーを押して、
線路を駆け渡り、ホームに上り、すかして立つ(笑)。晴れてればよかったのに。



博多のあるバンドが上京しデビューするが売れず、列車で地方の祭りなどのどさ回りをさせられる。

そのうち、自信家のボーカルのシュウちゃん(本木雅弘)より、シュウちゃんを慕ってついて回っていたギターのカズヤ(吉岡秀隆)の才能の方が認められる。

シュウちゃんはカズヤのマネージャーとなるように事務所から言い渡され「ふざけるな!」とぶち切れるが、結局歌うのを止めてカズヤのマネージャーになり、成功してゆく。もちろん、その後破局が待っているのだけど。

映画『ラストソング』のそういったあらすじの中、この駅は、上りのホーム(続けてゆく者)と下りのホーム(帰郷する者)の別れの場所に使われた。

ベースのゲンとドラムのマツは、博多に帰る下りのホーム。
シュウちゃんとカズヤと倫子(安田成美)は、再び東京へ向かう上りのホーム。

夕陽の中、向かい合う2つのプラットホームは印象的だった。
20歳くらいだった僕は、双方のホーム(人生)に等しく感動し、涙した(笑)。


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【こんな感じ】
ホームから釣りだってできそうな勢いだ。
嵐の日とかはすごぞう、、



新潟県中越沖地震の被害を受けて、あらたに復活したばかりの駅。
1時間に1本の待ちも苦にならないくらい景色はきれいで、風も気持ちよかった。

この駅は旅人が愛してよく寄る駅だ。
これからもずっとこのままであってほしいと思った。



1時間後、次の列車で信越本線から越後線に乗り換えて新潟に向かった。
20時を過ぎて新潟の安ホテルに素泊まりを決めた。

ホテルは、前回『2007年3月きのこの旅』と同じ場所に決めた。

4200円と大きく看板が出してあり、受付に行くと「新しくて奇麗な新館と、手前にある旧館とではどちらがいいですか?」と聞かれる。

「新館で」と答えると。

「4700円です」と言われる。

…そりゃそうだよな。

そう思いながら部屋に行くと、前回の部屋と同じだった。
ということは、前回も巧みな話術にだまされたんだろう。

写真データをCD に焼くためネットカフェの場所を交番で聞いて、25分も歩いてようやく用事を済ませ、帰りに今日初のまともな食事、ラーメンを食べた。

ワンマン大浴場でバシャバシャ泳いだ後、明日の計画を練った。

明日は、10:15新潟発の『快速きらきらうえつ』で一気に酒田まで行き、酒田〜秋田までの海に近い駅で降りようと決めた。


しかし明日、事がすんなり運ばなくなろうとは、、
少しは予見してて、しかも、もう慣れていた。



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【青海川ホームにて】
日本海は演歌が似合うよね。
何度も見ているのだけど、曇りだったり荒れてたりが多い。
また、いつか立ち寄れたらいいな。



〜2日目に続く〜

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by KeN-ArItA | 2008-09-09 13:27


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