ありけん日記


有田健太郎の日記、エッセイ、フォトギャラリーです
by KeN-ArItA

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神様講座

 その古い雑居ビルにはエレベーターなんてなかった。
4階まで落書き混じりの階段を上り、部屋の前で立ち止まった。
ドアには『神様講座(60分コース)』と張り紙がしてあった。

 始めは笑いの種にでもと申し込んだこの講座。
しかし、意外にも講師は本物の神様だった。

 授業が終わったある日、僕は神様の元へ行った。

「すみません神様、質問です。運命って何ですか?」

「運命?、、運命は運命じゃ。それではまた来週」

「ちょっと待った!
 さっき、人がいつどうゆう死に方をするのかは決まってるって言ってたじゃないですか」

「まーな、それは決まっとる」

「それじゃ、自分がいつどこで誰と出会うとか、何時何分の電車に乗るとか、この日歯磨きをし忘れるとか、そんな細かいことまで決まっているってことですか?」

「うーん、そこまでは決まっとらんよ」

「…でも死に方は決まってるんでしょう?」

「まーな。じゃ、ワシはこれで」

「ちょっと待った!じゃあ例えば、、
 ある日、僕が日本橋の交差点を渡っている時に居眠り車が突っ込んできた。
それをよけた僕がたまたまマンホールの上にいて、その時たまたま地下でガス爆発が起きて、マンホールの蓋と共に空へと吹っ飛んだとするよ。
 だけど運命でそう決められた日の前月に、アザラシと暮らすと言って僕がアラスカに移住してたらどうするのさ?」

「そりゃあ、戻ってくるように帳尻を合わせるのさ」

「日本橋に?」

「日本橋に」

「マンホールの上に?」

「そう、マンホールの上に」

「じゃあ、アラスカの雪道でスリップした僕の車がアラスカの人を傷つけたとしたら?
その人の運命は、僕に傷つけられるって決まってたの?」

「うーん、、」

「本当はぜんぶ決まってるんでしょ!」

「いやいや、バレてしまったか」

「もー神様ったら、、頭の輪っかフリスビーみたいに飛ばすよ」


「じゃあ、やっぱり全てが決まってるってことなんだね?」

「うーん、ごめん、ワシはもう行く。エクセルの勉強が…」

「エクセル?エクセルで創ってんの!?おれらの人生。
おい、ちょっと待って!待てったら…」


 誰もいなくなった教室の一番前の椅子に腰を下ろして、あたりを見回してみた。
子どもの頃、放課後、忘れ物を取りに戻った誰もいない教室の静けさに似ていた。


 仮に全てが決まっていたとしよう。
日本橋のマンホールの蓋と共に空高くその生涯を終えてもいいさ。
未来は知らされないんだからね。
結局未来は未知のまま、変わらない。

 誰と出会い、いつ別れ、どこに向かい、どこで寄り道をし、どこで曲がり、どこで走り、、。
でも、その時々の感情の揺れ幅は?

 同じ景色を見て何も思わなかった人、涙を流した人。
 道中で何も気づかなかった人、風が気持ちいいと感じた人。
 傷つけられた時に、傷つけた人を憎んだ人、自分が傷つけた人のことを思い出した人。
 あまり笑わなかったひと、たくさん笑った人。


 雑踏の交差点、あのとき点滅し始めた信号で止まった君と走り出した僕。
それはもう、実は決められていたことだったのかもしれない。
そして、これから先のことも実は決まっているのかもしれない。

 それならば、その中でめいっぱい瑞々しく生きよう。


 テキストをめくってみた。
第三回『天国での就職を有利にする下界での生き方』
 次回の講義テーマが記されていた。





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【春は確かにこちらに向かい始めている】
今年で3年めになる水仙。大好きな花だ。
春が終わるとニラみたいになって枯れてゆくので、もう死んでるんじゃないかと思ってしまう。
だけど、毎年この時期になると芽を出す。
嬉しいね。
春のやつ、そろそろ腰をあげやがった。



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【赤でも行け】
人生には赤信号でも行かねばならない時がある!
そんな時、こういった信号で教えてほしいよね。
赤でも行け!だけど右だけは行くな。みたいな。
甘い!自分で決めなきゃいけないのである。
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by KeN-ArItA | 2011-01-21 22:22

タコ釣りに行こう

 こっちを見た人達がまた笑いながら通り過ぎていった。
僕は恥ずかしくなっていた。
 確かに合理的だ。見上げてみてもそれは安定して空を泳いでいる。
しかし、いくら何でも遠投用の釣り竿でやらなくても。
 大きなグラウンドの端の方、釣り竿を空に向けて凧を飛ばしている祖父と僕がいた。

 毎年正月は、家族で福岡の甘木にある祖父母の元へ帰った。
 冬は他の季節と違って遊びのメニューが極端に少なく、どこかに連れてってとせがむ僕に祖父は凧を買ってくれた。
しかし、グランドに向かう祖父の手にはリール付きの釣り竿が2本握られていた。
 嫌な予感は的中した。
釣り竿の先に付けられたのは針と糸や浮きではなく、凧だった。

 他の子ども達は、黄色い棒に巻かれた白い凧糸を持って走り回っている。
青空、黄色、白、凧、なんともよい絵ではないか。
しかし、その横を釣り竿の先に凧を付けて駆け抜けなければならない少年の気持ちは、凧よりも揺れていた。
 祖父は自分のナイスアイデアに自信満々である。
まさか「帰ろう」なんて言い出せなかった。

 気持ちとは裏腹に凧はどんどん上り始めた。
釣り好きの僕はリール竿の扱いには慣れていた。
風に乗れば、留め金を外して糸を送り出す。少し送り出しては留め金をかける。
風が変わるたびに竿先はしなり、それは本当に釣りをしているようだった。

 僕は、大物が釣れたようにぐいぐいと竿をしならせたみた。
空の凧は少し遅れて首を振るように大きく揺れて、また安定した。
 50メートル程巻かれたリールの糸は全て送り出された。
糸が透明なのでまるで凧は空を自分の意志で飛んでいるよう。愉快だった。
 人に笑われながらも、楽しいと思った。

 草がちらほら生えてはじめるグランドの端の方。
腰を下ろし、釣り竿を握り、空を見上げている祖父と僕がいた。


 凧上げは人生と似ている。
地面で糸を操る『上げる自分』と、空で風と直接風と戦う『凧の自分』が同時に存在している。
つまり、冷静と情熱やね。
 『凧の自分』ばかりになると、全体が見えなくなってそのうちクルクル回り出すし。
 『上げる自分』ばかりになると、強い風に凧は壊れてしまうだろうし。
この二つのバランスを上手くとらなければ凧は上がらない。 

 思えば自分は、『ほとんど凧』的な人生を歩んできたような気がする。
サッカーで言えれば、全員攻めである。
おいおい、キーパーくらいは残ってようぜ。
そりゃクルクルも回るよね。

 凧はしっぽをつければ安定するが、そう高くは飛ばない。
 しっぽをつけなければ高く飛ぶが、安定しにくい。
そういえば子どもの頃、自分は絶対にしっぽをつけなかった。
 
 最近では『上げる自分』と『凧の自分』がようやく仲よくなってきている模様(幾つだ)。
さあ、高く飛べるように、飛んでいられるように、バランスよく頑張らねばいけない。
 釣り竿を使うのも手やね。




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【そっと咲き乱れている】
年々椿が好きになってゆく。
主張せんのに存在感あるよね。
きれいだ。
冬がよく似合う。



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【おーおー】
近所で夜間道路工事。
ドカドカすごいね。
うるさいけど、寒い中頑張っている人もいるのだ。
もうじき気持ちのよい道路を歩けるのが楽しみ。




【Nuno Bettencourt『Something About You』】
『Extreme』(エクストリーム)のギターリスト、ヌーノ・ベッテンコート。
学生の頃、ギターのコピーに熱中した。お師匠の一人なのだ。
ヌーノモデルのギターも持っている(笑)
今でも好きなギターリスト、アーティスト。
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by KeN-ArItA | 2011-01-14 21:45

スタートは創作から

 あけおめ!
 正月らしい寒さやね。
だけど部屋の中は温々。幸せやね。
 
 毎年正月には新曲を作るようにしている(実家には、時期をずらして帰るようにしている)。
年に一回、この時期を楽しみにしているのだ。ついに来たね。

 今年は4曲を目標にしている。
すでに一曲出来つつあるよ。
 DVDやCDもたくさん借りてきた。
なぜか『のだめカンタービレ』が入っている(CDはノラジョーンズの新譜など)。
 昼夜もすでに分からなくなってきた。いい感じ。
 
 食べ物は、でっかい鍋を作っておくのだ。
3日間は持ちそうな、美味しいのがたくさん詰まったおでん風鍋だ(はんぺんは無し)。
これでしばらくは大丈夫!

 今年の抱負。
去年は大勝負を打って負けたので、今年は大勝負を打って勝ちたいと思います。


さあみんな、ありけんは今年も楽しいよ!
遅れないようについてきてね!





【Miley Cyrus『 Party In The U.S.A.』】
数年おきに送り出されるアメリカの若手アイドルシンガー。
大抵は苦手なのだけど、マイリー サイラスはどこかやわらかさを隠し持っているようで好き。
この曲は、シンディーローパーを手がけた作曲家、もしくはプロデューサーが関わってそう。
アメリカンって感じで好き。
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by KeN-ArItA | 2011-01-01 14:30


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