旧ありけん日記 |
5月は新緑の季節。
遠目からの山肌は軟らかそうな黄緑の新芽に覆われていて、草木はこの時期に大きくなるのだなと考えてしまう。 緑はぐんぐんと木枝を隠し、生き物達は子育てに走り回り、地味に見えるが実は生命力溢れる里山。 んん〜、気持ちいい。 今日の『ありけん本能司令部』が、海より山を選んだ訳はこういうことだったよう。 やりますな。 いつもの上り列車とは逆のホームで電車に拾われた僕は、埼玉の高麗(こま)へ来ていた。 最近は詰めっ放しで体調がよくない。 ふっと空いた午後、寝るよりはリフレッシュにと西の森へ向かったのだ。 高麗は自宅から1時間半くらいで、実家の里山と雰囲気がよく似ているのでたまに来るのだ。 ![]() 駅を降りて川へと下りる坂道は、古い家々の間道。 栗畑を過ぎると高麗川に出る。 自分は遠回りの橋を使わずに、石を飛び飛び渡ることにしている。 今回は出がけに思いついて持ってきたギターがあったので、けっこう大変だった。 ![]() 自然はよいよね。 田舎育ちな自分は、たまに海とか山とかに浸らないと弱ってしまう。 ![]() 高麗の巾着田は周囲を川で囲まれているので、用水路がたくさんある(川の形が巾着袋に似て丸くなっているからそんな名前がついたそうだ)。 用水路の周辺には、たくさんの生き物が溢れんばかりの命を輝かせている。 ![]() 用水路端のギシギシでてんとう虫を発見。 『ベランダの鉢植えで繁殖中のアブラムシをやっつけ隊』として2匹のてんとう虫の幼虫が転勤と なりました(ごめん!いっぱい食べさせるから)。 多年生草本のギシギシにはびっしりとアブラムシがくっ付いていて、たくさんの虫や蟻達も大騒ぎ。 まるで活気ある市場のように賑わっている。 なるほどアブラムシは、海でいうイワシ(海のお米と言われている)のような位置なんだな。 辺りを気にして見ていると世界はアブラムシだらけ。 平日とあって誰もいない畑の間道。 屈んでひたすら観察した時間は長かったよう。 ![]() 巾着の中を進んでゆくと藤棚のあるベンチがある。 軟らかい日射しとコーヒーで一息。 大地にアコースティックギターの響きを。 聴衆はムクドリとスズメ達。 クエクエ、チュンチュン、聴いちゃいない。 今まで散々お荷物だったけど、ここにきてやっと『持ってきてよかった』。 気持ちいい。 寝転べば花盛りの淡い紫が空にきれい。 はち達もブンブン大騒ぎ。 ここは寝ても気持ちいい。 ![]() 夕陽になると似合う曲が少なくなったので帰路についた。 高麗ありがとう。 いい気候、いい時間だった。 帰宅後、てんとう虫の幼虫をアブラムシの付いている『花カンザシ』に放った。 慣れてきた幼虫はバクバクと食欲旺盛。 おおー やることはあるのだけど観察せずにはいられない。 しまいにはパソコンの横に鉢植えを置いて、見ながら仕事をしてしまう始末。 実家でメダカを見てる時みたい。 これで、鉢植えも元気になるでしょう。 しかし数日後、幼虫は元気がなくなってしまう。 なぜだろう。少なくはなったけどまだアブラムシはいるのに。 やっぱり『葉っぱ中アブラムシだらけ』という贅沢な環境で過ごしたから、『餌を探す』ということができないのだろうか。 人間も昆虫も一緒だな…。 おいおい、そんな甘ったれじゃやってゆけないぞ! がんばって探すんだ。 ほら、ここにたくさんいるぞ。 んん〜 アブラムシをたくさん捕ってこなければ…(本末転倒)。 数日後、結局幼虫は近くのてんとう虫の森(アブラムシだらけのギシギシ)に放たれることになるのである。 鉢植えのアブラムシはというと、、結局ティツシュで捕っている。 しかし、もうほとんどいなくなったよ。 てんとう虫の幼虫を放った帰り道、艶やかなあじさいの緑葉に小さな虫が羽を休めていた。 側では、まだまだ密度の高いあじさいのつぼみ達が、世界の仲間入りをする日を夢見てじっと目をつむっていた。 photo:ありけんタイマー撮影
by KeN-ArItA
| 2009-05-04 22:04
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