坂道を登っている。
カラカラに乾いた暖色の桜やケヤキ、ハナミズキは、もう多くの葉を落としている。
今年の紅葉はきれいよね。
立ち止まって深呼吸。
ふわーっと世界が広がっていくようだ。
【都心にて、ベンチ。見上げて、空。】
岩手県で過ごした学生生活。
土日、夏休み、冬休みなどは、アルバイトをしていた。
秋深まるある日のこと。
朝早く、行き先も知らされないままの僕を乗せたハイエースは、盛岡市から北へ北へと向かった。
11月の岩手は寒く、雪が降ったりもする。
仕事は辛かったが、車でいろんな場所へ連れていってくれるこのアルバイトを僕はやめなかった。
1時間ほど車で揺られ、八幡平という広大な山岳地帯の麓、大きなホテルの駐車場で降ろされた。
今でも色褪せない鮮烈な衝撃を受けたのは、その屋上に出た時だった。
モコモコと絨毯のように暖かく色づいた大地は、今からやってくる厳しい冬を知っていて。
どっしりとして、音もたてずにただただ静かに泣いているようだった。
悲しいから泣いているのではなく、うれしいから泣いているのではなく。
夏にめいっぱい光を浴びて一生懸命成長し、実を結び、種を落として。
その幸せを持って厳しい冬へと向かおうとしている今、ただ、はらはらと泣いているようだった。
北に見下ろすは、むき出しの大地。
南にのけぞるは、岩手山。
西に連なるは、奥羽山脈。
東に緩やかなるは、丘陵の樹林。
四方を見回したら遠近感がなくなってしまい、大自然の生命力に圧倒され、ほろりと涙が出た。
季節をねらって出た旅などでなく、偶然運ばれてきての仕事中。
あの空気感と四方見渡せる世界は、室内からでは感じることができなかっただろう。
【靴、ドングリ、マフラー】
坂道を上っている。
アスファルトに転がるドングリを見つけた。
辺りを見渡すと、ほらあった、ドングリの木。
木の実を見つけると嬉しくなるのはきっと本能。
手に取って磨いてしまうのも本能かな。
再び上り始めた坂道のてっぺんに、今度は柿の木を見つけた。
綿菓子を千切ったような雲を携えた青空に、熟れ過ぎた柿と残りわずかな葉が映えている。
ふぅ
立ち止まって深呼吸。
世界はまた少し鮮やかになる。
素晴らしい景色は、名所や旅先だけでなく日常にもたくさんあるよね。
さあ、上を向いて歩こう。
この冬も、立ち止まって深呼吸してしまうような素敵な景色をたくさん見つけるのだ。
【今年もハナミズキ】
【箱庭の花】
先月、コンテストの出演で『かながわアートホール』へ行ってきた。
コンテストでは落ちてまったのだけど、会場は緑豊かな場所にあって気持がよかった。
写真は、ホールエントランスにあった花。
【都心は証券の街、茅場町にて】
【都内は麻布、レコーディングスタジオにて】
先月は、佐鳴予備校のCM、テーマソング作りで走り回っていた。
歌い手さんに尊敬するヴォーカリスト(名前は出せないのです、、)を迎えてのレコーディングは新鮮で楽しかった。
いつものありけんサポートメンバーに鍵盤の岸さん、エンジニアのTomomiさん、関係の皆様も、ありがとう!
スケジュールの都合上、全員で合わせるのはレック当日の1時間だけとなってしまったが、みんなそれぞれに理解してくれて暖かみのある音源になったのではないかと思う。
しかし、やっぱりレコスタはいいなぁ。
自分も早く次のアルバムが出せるように頑張ります!
【日本橋、橋上にて立ち止まる】
なんか、軍団って感じよね。
あったかそう。
カモメ軍団。