雨の音がしているのでカーテンを開けてみた。
窓は結露でいつもより幾分か上品に見えた。
曇りガラスの向こう、冬の迫る明るいグレイの世界が想像できた。
指先で擦ると外の様子がうかがえた。
…やっぱり雨だ。
雨の街は、一枚の紙に火をつけた時のようにゆっくりと、再生する結露の向こうに霞んでいった。
冬の本当に寒い時期になると倉庫から教室へと石油ストーブが運ばれた。
九州は冬でも暖かいと思われがちだが、意外と寒いのである。
職員室にストーブはあっても、僕らの教室でそれに火がともされることは少なかった。
しかし、いよいよ寒くなるとストーブはオレンジ色に暖かい存在になるのだった。
外から戻った僕らは、ネコの様にストーブに集まり輪になった。
暖かくなった教室の窓は、巨大なホワイトボード。
いつの間にか落書きやアイアイ傘、巧みに作られた小人や動物の足跡等が残された。
温々(ぬくぬく)の幸せな空間は長続きはしない。換気の時間だ。
北風が、僕らの育てた暖かさを全部さらっていってしまう。
さんざん叫び回った僕らはようやく窓を閉めることを許される。
新鮮な空気で始まる授業。そりゃ、眠気も吹っ飛ぶさ。
外を見ると窓には降り積もる雪の様にじわじわと、またまっさらなホワイトボードが完成しようとしていた。
結露は温度差によってできるもの。
つまり、そこは外より暖かいのだ。
幸せな場所にいるってことよね。
さあ、今年も寒い季節がやってくる。
結露で外が見えないの時は、少しだけ手で擦ってみよう。
細やかな水滴は本来の水に姿を戻し、一時のステンドグラスの様に緩やかに流れるだろう。
歪んで透ける外は、きっと冬の世界。
そして、暖かい今の場所に幸せを感じよう。
【素敵な朝】
今日の現地までのスケジュールと久しぶりに借りてきたCDと花。
CD、古いやつばっかやね(笑)
カーペンターズは、今までまともに聞いたことがなかったので借りてみた。
いいねぇ。
雨なので『Rainy Days And Mondays』がしっくり来る(タイトルからしてなんとなく)。
【南へ行く】
横浜で開催されたヨコハマフッドに向かう『湘南新宿ライン(東海道線)』の中。
やっぱり東海道線は、好きだ。
しかしこの数時間後、台風14号で運休になってしまう。
【時は流れて】
友人の結婚式に出席してきた。
音楽仲間とあって懐かしい面々とも再会できた。
披露宴では久しぶりの合奏となり、自分も幸せを分けてもらった。
おめでとう!
そしてありがとう。
写真は久しぶりの再会、西出幸恵。
以前ずっとドラムのサポート(初代)をやってもらっていたのだ。
出会ったとき、彼女は確か19歳だった。
今ではすっかり母親業が様になっている。
幸せいっぱいやね。
ありがとう。
今の自分がいるのは、でんはもちろん、みんなのお陰です。
また会おう!