風邪をひいてからちょうど一週間が経とうとしている。
今シーズンは絶対に風邪をひかないと豪語しておきながら、あっさりである。
うー、だるーい。
風邪をひいても、気づかなければいいのだ!
そう思っていたけど無理だった。超気づく。
イソジンの携帯用を買って、うがい、手洗いを徹底したいと思う。
そして治ったらもう一度言うのだ。
「この冬は絶対に風邪をひかない!」
帰り道、スーパーで鍋焼きうどんを作る材料を買い込んだ。
もう頭の中は、くつくつの鍋焼きうどんしか浮かんでいない。
早く現実のものにするのだ。
しかし、ガサゴソと材料を開いてお湯に火をかけて気づいた。
買ったはずの長ネギがないのだ。
なんてこった、ネギのやつ、どこかで落ちやがったな、、。
いつも袋から落ちそうで落ちないのが長ネギだと思っていたのに。
あいつ、ついにやりやがった。
長ネギのない鍋焼きうどんなんて、ギターを持たない『弾き語り』のようなものだ。
つまり『語り』だ。おいおい、おんがくやろーぜ。
冷蔵庫を開けるとタマネギがあった。
ネギはネギでもタマネギじゃなぁ。
「楽器ありましたよ有田さん!ドラムっす」
「ドラムで歌えってか!ありだけど、なしだ!」
それにそれは『弾き語り』でなく『叩き語り』になってしまう。
おれは『鍋焼きうどん』が食べたいんだ!なーべーやーき!
再び服を着込んだありけんはネギの捜索に向かった。
ああ、かわいそうな長ネギ。誰かに踏まれたり、自転車にひかれたりしてなきゃいいが…。
「ただいまー!おかあさん、ネギ拾ったよ」
「まあ、落ちてるものを拾ってきちゃダメでしょ。
でも立派なネギね、今夜は鍋焼きうどんにしましょう」
「それはオレのネギだぁー!」
いかん、急がなければ。
少し歩くと暗闇の中、歩道の端に転がっている長ネギを見つけた。
お前って、こんなに白かったんだ。
拾い上げたそれは、ひんやりとしっとりと手に馴染み、瑞々しかった。
まったく、もう逃げ出すんじゃないぞ(「落とした」という考えには至らないありけん)。
3束あるネギの2束も使ったクツクツの鍋焼きうどん。
ありけんが幸せな気持ちにならないわけがなかった。ごちそうさま。
今夜こそ早く寝よう。
なーに、起きたらすっきりさ。
そして、もう風邪はひかないのだ!(いつも言っている)
【季節はくまなくやってくる】
こんな小さな葉っぱまで一つ一つ落葉するんだね。
【収穫の秋】
都心は渋谷、屋上の菜園にて。
懐かしいね。アケビの実。
子供の頃に山で見つけてよく食べた。
腐るほどあるからと、いただいた。
【種ばっかり】
アケビは美味しいのだけど、種がやたらと多い。
そんなに種がないと子孫を残せないのだろうね。
とろーりほんのり甘い味。
こりゃ、動物達もほっとかない。
収穫の秋やね。
【散らばった朝日を浴びて】
日射しが随分やわらかくなったね。
もうすぐしたら冬至やもんね。
さあ、冬モードで行こう。