旧ありけん日記 |
列車の窓に映る世界は映画のフィルムのよう。
線路のサビや汚れでうっすらと白く霞んだガラスが、時にそう思わせることがある。 そんな贅沢な時間がやってきたら、ぼーっとしよう。 2011年9/4(日)〜旅5日目(最終日)〜 釜石から遠野まで代行バスに揺られたありけんは、再び列車の旅を始めた。 今日は釜石→東京と、かなりの移動距離なのだ(各駅停車だから)。 去年は福島をこえたあたりで疲れ果て、グリーン車を使ってしまったので今年はなんとしてでも各駅停車で家まで帰るのだ。 特等席には先客がいるものだ。 ローカル線では、ワンマンカーが多い。 3両編成であってもドアは一番前しか開かない。 そこでバスみたいに切符やお金を入れて降りるのだ。 なぜなら、田舎の駅に駅員などいないから。 宮沢賢治の里、花巻。 古い民家の多くは、北側に木々を植えている。 地吹雪の厳しさと風向きが伺える。 車窓は、田園の中ポコポコとこんもりした小さな森に包まれた民家を映し出す。 東北本線に乗り継いだありけんは、南下を始める。 ここに来て、人物写真が増えてきたのにはわけがある。 指令6の知らない人のベスト写真を10枚撮影せよという『写真10(しゃしんてん)』がぜんぜん進んでないのだ。 うーん、いかん、あと3枚は必要だ。 なんとかせねば、、(本来こういうものではない) JRではジャンクションシティーとなる一関。 ここでは乗り換えでしばらく停車するのでいつも買い物をする。 一関には思い出がある。 盛岡で音楽活動をしていた頃に、よく見に来てくれたお客さん達がいた。 ライブバーに呼ばれたこともあった。 みんな暖かくしてくれたので、自分にとってこの土地はとても暖かいイメージなのだ。 地震以降メールが届かなくなってしまったけど、みんな元気にしているのかな。 動き出す列車の窓から西を見て、礼。 どうぞお元気で! もちゃもちゃと乾物を食みながら、宮城へと入る。 仙台では急遽、高校の同級生と会うことになった。 偶然とはあるのもだね。 高校の同級生は数年前に仙台へ移り住んだ。 そこで出会って友人となった人物が、ありけんの先輩だったのだ(大学のサークルの先輩)。 「そういえば高校のとき、私の友達で盛岡の方に行った友達がいたな」 何かの拍子でそう言ったらしい。 「そう言えば、学生の時に福岡から来た後輩がいたな」 へぇー、、と突き詰めてみたらありけんだったらしい。 北と南なのにすごいよね(笑) さて、仙台駅で11年ぶりに再会する同級生。 やー、やーやーやー! 相変わらずさにお互い笑ってしまう。 1時間程だったけど食事をしてたくさん話して笑った。 今度は、たく先輩とライブを見に来てもらわねば。 時間の流れを行ったり来たりと素敵な時間をありがとう! また会おう、元気しときーね! 仙台から福島までは左側に座るようにしている。 高原から福島の町がとてもきれいに広がって見えるのだ。 飽きのこない車窓の横で、ノートを取り出して焦り気味なのがありけん。 そう、指令7の『旅中1曲』である。 これは5日間の間に1曲仕上げよという課題なのだが、去年も最終日にバタバタとなってしまった。 だって、作る時間が、、 いや、言い訳はなしである! この勢いで集中すればきっと短い時間でもいい曲が書けるさ。 『写真10』に『旅中1曲』と追い込まれるありけん。 まるで夏休み最終日、遊び過ぎた子どものようである。 新白河駅で奮闘中。 テーマは決まった! 頑張れ! きれいな人。 とある駅できれいな女の人を見つけた。 すみません写真撮らせてもらってもよいですか? ええ、わたくしでよかったらどうぞ。 って、ダメー!! ありけん、写真10に苦しむ。 だいたい、無理に撮るもんじゃないだよ、人物写真なんて、、 撮りたい時に撮る!これがベスト写真じゃないか。 おまえ、またそうやって逃げるのかよ。 うるさーい!バカー! こんな時は、とりあえずペンを置いてぼーっとしよう。 各駅停車の旅最終日は、福島を越えてからが最後の山場だ。 5日間の旅の疲れと長い移動時間で、お尻が痛くなってくるのだ。 どうにか最後(家)まで特急などを使わずに各駅停車で行きたい! いや、もう特急に乗ってしまおうよ、、。 例年の葛藤が今年もやってきた。 旅1日目の五能線でも負けてしまったしね(指定席に乗った)。 最後くらいは頑張ろうぜ!おれ! 新白河でダウン。 大宮まで東北新幹線で飛ぶ。 あー、今年は負けばかりじゃないか。 いや、家に早く帰ってさ、新曲をプロデュースしたいんだ!(ありけん:談) 大宮で新幹線を降り、武蔵野線、西武線と乗り継ぐありけん。 楽しいことや連休の終わりは、明日からのことを考えてしまうので寂しい。 自分はそんなふうに思わない。 これで、明日からまたやれるのだ!(ごめん、ほんのちょっと思うかも) 自分は日々、旅と変わらぬテンションで生きたいと思っている。 ライブもさして変わらぬテンションで臨んでいる。 日々が人生。 何かの本が言っていた。 そう、今日が繋がって人生になるわけだ。 だから毎日、旅の一日のような心持ちでスタートするのだ。 そしたらきっと旅のような人生になるだろう。 といっても、落ちる時は落ちるよね。 その時は、しばらく落としておけばよいと思う。 大切なのはいつかまた立ち上がって、進むことだ。 今回の旅は、たくさんの仲間と再会できた。 いろんな話や、強くやさしくなった表情を見て『生きてゆくのって大変』という言葉が浮かんだ。 みんな一緒、生きて行くのって時に辛く、やっぱり大変なんだね。 だから、楽しい時にとびっきりの幸せを感じれるんだね。 最高の笑顔をありがとう! 楽しかったね。 旅の中では完全に仕上げることができなかった曲も、『なんとか生き抜いてまた会おう!』ってテーマで仕上げたよ。 思い出の場所は、そこで誰かが思い浮かぶ場所だった。 今回の旅は、各所で暖かい気持ちになれた。 会えなかった仲間や、疎遠になった仲間達もたくさん思い出してやっぱり暖かい気持ちになれたよ。 ありがとう! これからも暖かく思える場所をたくさん作れるように生きてゆくよ。 帰宅ラッシュの西武線のドアはいつものように閉まった。 動き出す列車の窓には、僕さ。 釣り上げたカニを持ってタイマー撮影しようとしたとろ、カニが落ちてしまい、 それを拾おうとしているうちにシャッターが下りた絵。 2011年『本州の果て大間崎、本マグロを釣り上げろ!の旅』 おしまい。 ■旅の評価 指令1:津軽半島『五能線』を各駅停車で駆け抜けろ→×(指定席座った) 指令2:学生時代の友人かよ子と再会しろ→×(急に名古屋に引っ越しやがった) 指令3:学生時代の友人いとーちゃんと再会しろ→○(ハッピーな時間をありがとう!) 指令4:本マグロを釣り上げろ→×(無理!) 指令5:ライブで盛り上げろ→○(みんな盛り上がったよね?ありがとう!!) 指令6:写真10(しゃしんてん)→×(今回あまり知らない人と出会わなかった、、) 指令7:旅中1曲→△(できたが、ばらしてまた作りなおした。でもすごくいい曲になったよ!) ■通過都道府県 秋田→青森→岩手→宮城→福島→栃木→埼玉→東京 ■総合評価→まー、いいか。
by KeN-ArItA
| 2011-10-11 22:58
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