遅い春、同マンションの1階にツバメが巣を構えた。
そいつは、黒いはずの羽の一部がなぜか白く、僕は『はねじろ』と名付けた。
自分の部屋は2階、朝ギターを弾いてると向かいの電線で張り合ってえちゃくちゃと鳴きはじめる。
愛らしく、親しみも深くなっていた。
雛も顔をのぞかせてこれから賑やかになるなと楽しみにしてたのだけど、ある日カラスに襲われて全滅してしまった。
朝早く、向かいの電線から何度も低空飛行して巣を襲うカラスと、それを追い払おうとするツバメの警戒音で気づいたのだ。
外へ出てみると半壊された巣に雛はいなく、下には残骸が散らばっていた。
カラスも子育ての時期で、しかたないのは分かっているのだけど、真下の短期入居の住鳥の子育てを楽しみにしていたので悲しかった。
近くに川があるせいもあってここらはツバメが多い。
近所の軒下の雛を見てにやにやとしながら、季節とともに夏へと進んだ。
先日、1階の修復された巣の中で卵を温めるツバメに気づいた。
あの『はねじろ』である。
おおー、お前、もう一度いくかー!!
嬉しくなった。
【はねじろ。この角度では白柄は見えない】
しかし、、季節が遅すぎる。
他のツバメ達の雛はもうとっくに巣立っている時期である。
数年前の夏(猛暑)、近所のたくさんの雛が暑さに耐えきれず死んでしまったのを思い出す。
真夏の暑さに卵や雛が耐えれるかな。。
近所のツバメ一家も次々と南へ旅立ってゆく中『はねじろ』は辛抱強く卵を温めていた。
最近では30度超えの日々、暖めるよりあおいだ方がよいのでは?など思ったりもしたが、3日程前ついにもぞもぞと動いている雛を見つけた。
嬉しかった。
あまり近づくと、チキッ!チキッ!と怒られてしまう。
幸い、カラスに狙われるほどだから風通しは抜群である。
まだハゲちょびんな雛だけど、うまく育ってほしいものだ。
はねじろ、応援してるぜ!!
生きてゆくのは、みんな大変。
だけど、キラキラした海を見下ろす心地よい風の中を、仲間や家族達とともにクルクルと飛んでゆく時。
辛かった思いもそのまま幸せ側に傾いて、暖色の心地はより深く、生きている喜びも増して感じるだろう。
めんどくさいことや大変なことは、これからも勝手にやってきてくれる。
だから『楽しい』『幸せ』と思えたときは、「あっ、今だ」と思い、めいっぱい笑って噛み締めとこう。
結構、あるよね。
人生は幸せ噛み締め大会でもあるのだ!
【夏の木陰】
こんな場所で過ごせた休憩のひと時。
当然、幸せを噛み締めときました(笑)
【朝練終了!】
上綴は、つい先日のメールマガジンにあげたコラム。
現在のつばくろ一家はと言うと、、ようやく目も開いた4匹の雛が暑さと戦いながらも元気に育っています!
すごいよね。
がんばれー!!