熟れてゆく夏、雲も空もどんどん高くなってゆく。
近所を賑やかにしていたツバメ一家の飛び方教室も終わり、つぎつぎと南へと旅だってゆく中、新たに子ツバメ達が生まれた。
7月から巣を作り、卵を温めはじめて、こんな暑い時期に卵が孵るのかと心配に思っていた。
8月に入ったある日、親ツバメの姿の代わりに小さな雛達がちょこんと巣の縁に頭を乗せていた。
感動した。
おまえ、よく諦めず頑張ったな。
餌となる虫はたくさんいるのだけど、なんと言ってもこの暑さ。
暑さで死んでしまう雛もたくさん見てきているので、朝晩巣を見上げる近所のおっちゃんありけんも心配顔。
【3羽の雛たち】
かわいい。
風通しのよい場所なのが幸いしてか今のところ元気。 この羽の一部が白い母ツバメは、6月に自分のマンションの1階で卵を温めていたやつだと思う。
ずっと温めていたのだけど結局孵らなかった。
すぐ近くにまた巣を作り今に至る。
夜中見ると、巣のふちには1羽しか親がいない。
ダメ亭主だったのか何かの理由で死んでしまったのか、旦那はもういないようだ。
もしくはこいつは父親で、駆け落ちしてしまった母のかわりに旦那が育てているのかもしれない。
急がねばもうじき台風の季節がやってくる。
南方沖縄諸島、それよりもうんとうんと南の島。
大洋の上、木の葉のようなツバメ達はいったん飛び立ったら数日は飛び続けねばならない。
この先困難だらけ、そんな遅生まれのちび達。
しかしながら、そんな心配なんぞ吹き飛ばすような勢いで
めいっぱい餌をねだっている。