旧ありけん日記 |
綿棒で耳掃除をしても右耳は掃除できるが左耳は綿棒が入らなかった。 よって耳垢が溜まってゆく。 20歳を過ぎて左耳が詰まりがちになってきた。 梅雨など湿度が高い日は耳垢が膨らんで耳が詰まり、カラッとした冬は詰まりが取れる。 正倉院の木の壁もびっくりである。 詰まると、ティッシュで細いこよりを作って突く。 するとしばらく聞こえるようになる。 しかし、それは耳垢をどんどん奥へ押しやっている、ということもなんとなくわかっていた。 上京してすぐ、27歳くらいの頃、ついに左耳が完全に聞こえなくなって病院に行った。 耳垢を取るくらいわけないだろうと思っていたが、これが相当に大変だった。 ![]() ![]() ![]() 2年ほど前から耳が詰まりはじめていて、再び左耳が聞こえなくなった。 20年も放っておいてまたあの病院へ行ったら、、怒られるだろうな。 今の時代はネットで検索できるので便利である。 いろんな病院を探してみた。 そして20年前の病院も検索してみた。 口コミにはこぞって、口は悪いが名医だと書いてあって、笑ってしまった。 言葉はきついが愛があるという書き込みにうなずいた。 自分はその耳鼻科へ行った。 相変わらず患者さんは多かった。 そして耳垢君も20年分重なっていた。 まさか覚えてはいないだろう。 20年も経てば科学技術の進歩で痛くなく取れるようになっているかも、、という淡い期待はすぐさま吸引機で消し飛ばされた(ピギョー)。 前回と同じく先生は困っていた。 しかし、怒られなかった。 以前どこかで取ってもらったことがことがあるか?と聞かれて、20年前にここでと答えた。 先生は首を傾げたように見えた。 その時と同じように溶剤を流し込んで染み込ませ、吸引機で取り除くことになった。 普通の人の8分の1くらいしかない耳穴だと言われた。 溶剤を流し込んで1時間ほど家で横になって、耳垢をふやかし、再び病院へ行った。 吸引機で吸いながら(これが痛い)、先生は20年前の話をし始めた。 ある日、突然患者がやってきて窓をきれいにしていったことがあったそうだ。 痛い中、笑ってしまった。 自分だと答えると、その節はありがとうと先生は言った。 2日がかりでようやく左耳が聞こえるようになり、サラウンドの素晴らしい世界に戻った。 感動である。 聴力検査、アレルギー検査などもやることになった。 みんなと同じ音が聞こえていると思っていたが、左耳は一般の人よりもずっと聞こえてないことがわかった。 しかしながら、これで十分だとも思った。 アレルギー性鼻炎の治療薬とかも出されてしまったが、仕方ない。 検査結果と鼻の治療、二週間後また来なさい(デジャヴ)。 前回は20年後になってしまったけど、今回は行こうと思っている。 待合室、見上げた高窓はきれいに清掃されていた。
by KeN-ArItA
| 2021-06-20 12:13
| エッセイ
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