予定を早く終えた午後、早い帰路についたのだがやはり…。
気づけば特急レッドアロー号(西武池袋線の特別急行列車)秩父行きに乗っていた。
なんか真っすぐに帰るのはもったいない気分でね。
晴天はどこまでもも続いていて、車窓からは春と夏の間。
心地よい世界がバラバラと流れてゆく。
埼玉県に入り、各駅列車に乗り換えて2駅程。
一時間半くらいかね。
いつもの草原にやってきた。
んん〜。
ここは新緑に満ちあふれとうよ。
タンポポの季節ももう終わりやね。
風が強く、綿毛が次々と旅に出る。
見送った母は空を見上げ何を思う?
いいえ何も思いません。
ただただ精一杯生きるだけ。
だけど、本当は…
「生きた」って、晴れ晴れしとんしゃあかもね。
寝っころがれば虫達の世界。
視点はありんこになるよ。
咲く花や、花なんてもたない雑草、ほんの小さな花、羽虫、ミツバチ、青虫、などなど。
みんなキラキラ綺麗なんだ。
世界は素晴らしい。
ゴロンゴロンと、ありけんはカメラマンになってしまう。
フラフラとあぜ道を縦横斜め。
気がつけば馬君のもとへ。
そこら辺の草をブチブチちぎってあげてみる。
むしゃむしゃ食べるよ。
おお〜
もっとやるのだ!
今度は頭をなでてみる。
おお〜〜
今度は写真を撮ってみる。
ブロロ、ブヒヒヒヒッー!
怒って暴れはじめたので退散。
しかし日が伸びたね。
16時をまわってるというのにまだこんなに明るいよ。
菜の花畑 月は東に日は西に
僕は何故に ゆらりしに
帰り道の脇道。
いつも立ち寄る小さな神社。
竹で作られたベンチでホケ〜っとね。
竹やぶを抜けてくる山の夕日は、オレンジ。
今日は西へと沈んでゆく。
伸びる影は東の明日へと続く。
明日の自分は、大丈夫なのだろうか?
大丈夫
きっと頑張れるさ
帰りのプラットホーム。
30分に一本しかない電車を乗り過ごしてしまった。
西空はバタバタと夕方の撤収に走り回っている。
東はもう、夜のオープンやね。
自販機に、冷たい飲み物しかなくなったこの頃。
季節とともに、自分も変わってゆけるよう願う僕は。
また東京に戻るのだ。