東京西部の緑豊かな地域に来ていた。
夏も折り返し地点をまわり、葉月の陽射しは絶好調に大地を照らしている。
空き時間は、すぐ近くの川で過ごした。
この辺りの水は地下を流れ、途中からまた川になっているみたい。
この少し下流では地面から水がしみ出し、再び流れる川となっている。
それにしても、いつもより乾いていることには間違いないみたい。
水無し川には石造りの段差があり、そこは普段水の落ちる場所(滝壺)で、まだ水も残っていた。
浅く澄んだ水面を覗いてみる。
おー、ザリガニ発見。
覗き込んだだけで、もう怒っている。
手を突っ込んで捕まえようとすると。
がもー
かなり怒っている。
もちろん、捕まえたよ。
もちろん、はさまれたよ。
ズボンを上げて川に入って、つぼを刺激する石のごつごつした懐かしい感触を足の裏に感じた。
いでで、いでで、、
深い所で20〜30センチと渇水間際の水場でパシャパシャと。
気持ちいい。
小魚(ハヤ)は、浅瀬では石の裏に逃げ込む習性がある。
鳥達の長いくちばしから逃げる為に身につけてきた習性なのだろう。
普段は絶対手などで捕まえられないハヤも、今日は大変。
おりゃー
あーあ(生きてるよ)
なんだかイワシみたいよね。
川を覗き込んでいると、なんだか懐かしい感覚になる。
じーっと覗き込んでいると、自分の顔が映っているのに気づくんだ。
水中の世界と自分。
視点がごっちゃになり始める。
8月の暑さは、熟し始めた実のよう。
陽射しや気温は相変わらずきついのだけど、風は涼しい。
木陰に入ると、風がそこを選んでいるかのようにチロチロと流れている。
ここは、のどかなよい場所だ。
当たり前で気にもならなくなっているが、意識するとうるさすぎる、擬音にすると濁点まじりになる蝉のサラウンド
黒トンボが音もなくヒロヒロと水上を渡り
投げた石が水に突っ込む音
たまに通り過ぎてゆく車の音
木陰で缶コーヒーと足を半分水に浸し
時折、まとまり過ぎた風がアシをシャラシャラと揺らし
あー、夏だ、ど真ん中ちょい過ぎくらいだ。
午後の空には、連日の積乱雲の隙間に早くもイワシ雲が覗いている。
まだまだ未熟なイワシ雲は、秋空に備えて練習中。
歩道の脇に、乾いて転がっているアブラゼミの亡骸。
全てを出し尽くし、「思う存分生きた」と満足そうにも見える。
夏が行くのか、それとも秋が来るのか。
間違いないのは、時、刻々。
この夏はどこにも行けそうにないけど、秋の入り口あたりにはきっと…。
夏は其所かしこ。
ちょっとした時間、行き合わせた場所々々で、まだまだ楽しむのだ。
【西武線の夕暮れホーム】
最近、西武線の新型車両の30000系が走っているのだけど、まだ乗り合わせたことがない。
早く乗りたい。
【青虫だって】
サラダにしようと買ってきた水菜だったけど、青虫発見(モンシロチョウの幼虫)。
かわいいよね。
そりゃ、虫だって食べたいさ。
だけど、とりあえずサラダは止めました。
そして青虫君は、裏のどくだみ草の群生に放ちました。
強く生きろ!